日々のこと

昭和61年生まれの既婚子なしの女が、思ったことをだらだらと話すブログです。

ヘアドネーションの話

つい先日、美容室に行った時の話である。


指名させてもらっている女性の美容師さんに、
「本日はカットとカラーとトリートメントですね。カットはどのようにいたしましょう?」
と、尋ねられたので、
過去に経験のあるヘアドネーションをもう一度やろうと思っていることをお話しした。
昔、ボブ・ディランがラジオで言っていた、
"髪を伸ばしたいのなら、こまめに美容室に行き、毛先だけを切ってもらいなさい"
という、
ウソかホントかもわからない話を、
吾輩は未だに信じている。
美容師さんには
「今回は毛先の傷んだところと毛量の調整をお願いします」
と、注文した。
もはや記憶なぞは改ざんされ、
ボブ・ディランがそう言ったかどうかもあやしい。
しかし人には、
何歳になってもいくつかの信じたいことがあるものである。


今の吾輩がヘアドネーションするためには、
あと10cmは伸ばさないといけない。
ヘアドネーションに必要な髪の長さは31cm。
人の髪の毛は一ヶ月に約1cm伸びると言われているから、10cm伸ばすとなると約10ヶ月は必要になる。
来年の5月頃までひたすら伸ばし続けなければならないが、
ヘアドネーションをするという目標があると、
そこまでのしんどさはない。


前回初めてヘアドネーションをした時は、
"ヘアドネーション"自体を初めて知った頃で、
こういうことも縁と呼ぶべきなのか‥
同じ時期に、
友人の姉貴が突発性の脱毛症になり、
ウィッグで生活しているという話を耳にした。
何もしてあげられないという思いから、
ヘアドネーションをすることにしたのだが‥
それはただの自己満足でしかないようにも感じていた。
以前目にした記事では、
このようなことを言っていた‥
『ヘアドネーションが慈善活動のようになりつつあるが、それは果たして良いことなのだろうか?髪の毛がないことを"異"とし、隠さなくてはならない文化的背景を見直すことのほうが重要なのではないか』
また、ヘアドネーションを回収する団体はかなり規模が小さいらしく、
全国から大量の髪の毛が送られてくるものの、
そのあとの作業が困窮しているのだそうだ。


まあ、どれも数年前に目にした情報なので、
今はずいぶんと改善されているのかもしれない。
いずれにせよ、
吾輩が十分に注意していることは
"ヘアドネーションは自慢してはならない"
ということである。
そして個人的に至った考えとしては、
"自己満足でいい"
‥今のところはそう思っている。


ヘアドネーションをする際、
それに登録している提携美容室?でなければ、
寄付するかたち(31cm)で切ってもらえないというように認識していたのだが、
今回、美容師さんに聞いた話では、
確かにやってもらえない美容室もあるかもしれないが、
だいたいの美容室では"31cm切る"ということはしてくれるのだそう。
それを寄付する用に郵送するのは、
美容室の方々ではなくヘアドネーションする本人となり、
吾輩も前回やった時には、
切ってもらったあとの作業はみな自分でやった記憶がある。


ちなみにこの美容室に通い始めたのが今年の春くらいからであったため、
こちらでヘアドネーション用のカットをやっているかどうかがわからなかった。
前回寄付した時に、
カットしてもらえる提携美容室を検索していて感じていたのだが、
ほとんどが個人経営の美容室で、
吾輩も電話でしか予約のとれない街の美容室を利用した。
最近通いはじめたこちらの美容室は、
関東を拠点にチェーン展開をしているため、
はなからやってもらえないとばかりに思っていたのだが‥
なんと
「ウチでもカットだけはできるので、もし(ヘアドネーション)される時は、予約メールにその旨ご記入ください」
と言っていただけたのである。
「31cm切る際、いくつかの毛束を作ることになるんですけど。その時に毛束を結ぶのに使う髪ゴムとかもお店にあるので‥(ヘアドネーションする人は)特に用意するものとかはなく。手ぶらでお越しいただいて大丈夫ですよ〜」
とも。


前回のように、
行ったことのない美容室に行かなくていいのは大変ありがたい。
(ほげー‥良かったー‥今回のヘアドネーションは楽にやれそうだぁー‥)
すると、美容師さんに
「ヘアドネーションお決めになったのって、なにかきっかけとかあったんですか?」
と尋ねられたのである。


一回目の寄付は友人の姉貴の件がきっかけだったが、
今回はなんとなく未来の自分のためにやっておきたくなった。
未来の自分が抗がん剤治療を受けるか受けないかはわからないが、
受けることになり、
ウィッグをかぶることになった場合。
なんとなく心が"清潔"で居られるような気がした。


とはいえ‥友人の姉貴の話ふくめ、
美容師さんという間柄のかたにそんな話をするのも‥
(実にためらわれるぞえ!!!)
それこそ自慢話のように聞こえるため、
吾輩は
「ただ単にもう一度やりたくなった」
という、ぼんやりとした返答をした。


しかし、今考えてみると‥
そこまで気にする必要はなかったように思う。
だって事実なのだから。
事実を曲げて、
美談のように話すのはかっこう悪いが、
本当にそうならそれで良いではないか。
意気地のない日本人気質が染み付き、
保守に保守を重ねた結果、
嘘っぽい人間にだけはならぬよう、
気をつけたいところである。
バカボンのパパの口癖の
"これでいいのだ"
に尽きる。

 

 


※次回は7/24に上げます