日々のこと

昭和61年生まれの既婚子なしの女が、思ったことをだらだらと話すブログです。

正解のない正解の話

平日の午前中、
最寄り駅のスタバに行った時の話である。
フードとドリンクを買った吾輩は、
レジ前にあるシェア型の大テーブルに座り、
かばんからPCを取り出していた。
作業の準備をしていると、
自分のうしろから


「店内用のグラスでご用意しても大丈夫ですか?」
 
というフレッシュな女性の声が聞こえてきた。


ふむ。
ややフランクな接客である。
声もみずみずしいし‥
(学生かしらん?) 
と、自分の背後で接客する店員さんを想像した。


吾輩のオーダーをとってくれた店員さんとは別のかたのようである‥
このたびオーダーをとってくれたかたは、


「そちらのフードですと、無料でドリンクのサイズアップができます。トールでご注文いただきましたが‥トールをグランデになさいますか?それともショートをトールになさいますか?」


と、めちゃんこ丁寧な‥いわゆる"スタバっぽい接客"をしてくださった。
グリーンのエプロンでいらっしゃったものの、
アラフォーと思しき"朝勤のベテラン勢"という感じ。
学生やまだスタバに勤めてまもないかたは別として、
こういうサーヴィスを受けられるのがスタバの魅力であろう。
競合店より商品の値段が高くても、
こうしたクオリティの高い接客が受けられて、
清掃の行き届いた店内を利用できるのなら、
吾輩は惜しむことなく対価を支払う。
やや高めの商品に、
(文化はないが)チップ代が含まれていると考えれば、
より納得がいく。


ふと自分のiPhoneを見ると、
ちょうど10時をまわったところであった。
フランクでみずみずしい声の女性は、

10時入りの店員さんなのであろう。
吾輩のオーダーをとってくれた店員さんには、


「店内用のグラスにお入れしてもよろしいですか?」


と、聞かれていた。
"フランクガール"はやはり学生さんなのではなかろうか‥


しばらくすると、
年配の女性の声で、


「薬を飲むので、お水をいただけますか?」


という声が聞こえてきた。
するとすぐに例の"フランクガール"の声で


「氷は入れますか?」


というレスポンスが聞こえた。
年配女性はそれが聞き取れなかったのか、"フランクガール"の質問を聞き返していて‥
彼女はゆっくりめに

 

「おみずに、こおりは、いれますか?」


と再度尋ねていた。


吾輩は反射的にそのやりとりの方向を向いてしまい、
"フランクガール"の艶やかなヴァージンヘアと、
化粧をしていなくても十分に魅力のある横顔を目視した。
まんまると愛らしい目には、
もちろんアイメイクはされておらず、
上を向いた口元は、
彼女のはつらつさを物語っていた。


おそらくだが‥学生のようである。


言葉遣いもそうだが、
十代で
"薬は常温の水で飲むのが好ましい"
という知識を持ち合わせている人間は少なかろう。
しかも今は夏で、
連日の猛暑である。
"飲むものは皆、冷たいほうがいいに決まってる‥!"
‥そう考えるのが、健康的?平均的?な十代の思考のように思う。
冷たい飲み物を飲んだところで、
そんなに体温の低下を感じられないのもまた十代の特長ではなかろうか。


だから薬を飲む年配女性にも、
氷入りの水のほうが好ましいと思ったのではなかろうか‥
歳をとればとるほど、
体に入れたもので体温が左右されることに気づく。
37歳の吾輩は、
まだ30度超えの日には、
冷たい飲み物を欲しがってはいるが‥
これが先程の年配女性‥
おそらく70代の女性ならどうだろう?


30度以上もある屋外から店内に入った時に、
寒さを感じることなく、
自然と汗が引いていくような室温に整えられているスタバのような店は‥


(年配者にとっちゃぁ"寒い"って感じるのかしらん?)


"薬は常温の水で飲んだほうがいい"ということを知らないであろう十代くらいの女性と、
年配者が夏場のスタバの室温を寒いと感じるかがわからない37歳の女性(吾輩)‥
重なる部分もあるにはあるが、
知らないことを
(なんだか素敵だ‥!)
と思えたのは、
"フランクガール"が水に氷を入れたほうがいいのかを、
彼女なりの気遣いでもって尋ねたためであろう。


吾輩のオーダーをとってくれた"朝勤のベテラン勢"という感じの店員さんなら‥


「冷たいお水もご用意できますが、常温のお水のほうがよろしいでしょうか?」


もしくは


「冷たいお水と常温のお水、どちらでご用意いたしましょう?」


と尋ねるように思う。


でも、


「氷は入れますか?」

 

がベストアンサーな気がした‥
そんなジュウゴノヨルではなく、
サンジュウナナノアサであった。

 

 


※次回は8/20に上げます