日々のこと

昭和61年生まれの既婚子なしの女が、思ったことをだらだらと話すブログです。

寿司屋に行った話

比較的、魚のうまい所で生まれた吾輩は、都会で高い金を払ってまで魚を食べる気にはなれず、
かれこれ人生も37年目に突入しようというのに、
ちゃんとした寿司屋には行ったことがないのである。
うなぎにもまったく興味がないものだから、
老舗のうなぎ屋にも行ったことがない。


すべての世界を知り、
すべてを体験することは不可能とは思うが、
日本に生まれ、
日本で生きているのだから、
ナポリピッツァ専門店でピッツァをすする暇があるのなら、
大将の居る寿司屋でまぐろの赤身でもつまみなさいよ‥
と、我ながら思うのである。


我が夫は"パンがなければケーキを食べればいいじゃない"よろしく、
"食べるものがないから寿司を食べよう"
"今日は妻が居ないから寿司を食べよう"
"しばらく寿司を食べていないから寿司を食べよう"
というほどスーパーミラクル寿司が大好きな人で、
近隣のスーパーに置いてある寿司の良し悪しは、全て把握しているらしい。


そんな寿司好きの夫なのだが、
私同様に目の前で寿司を握ってもらったことはないのだそう。


よわい三十半ばで、
生活水準が中の下ほどに属していると、
寿司屋には辿りつけないのであろうか‥


いや、これは興味があるかないかに尽きるようにも思う。


まぁ、いつものごとく、
つべこべ言ってきたわけだが。
とどのつまり、
とあるレストランサイトで
"あなたにオススメ"
で出てきた寿司屋をなんの気なしに見ていたところ、
ランチタイム限定でかなりリーズナブルに本格的な寿司を楽しめる店を見つけ、
そこを予約した
"だけ"
の話である。


情報は金を積んでも買えないこともあるが、
経験は金さえ積めば買える。


月に行かれた前澤さんは、
こんなちっぽけな吾輩にも勇気と希望を与えてくれたのだろうか‥
前澤さんが月に行くために何億ものお金を使っている片隅で、
吾輩は数万の寿司を食おう‥
そう思った‥
‥‥‥のか?
まぁいい‥勝手にそう思っておこう。


んで、その寿司屋でのランチが、昨日の正午頃にあり、
予想を上回るほどの素晴らしい時間だったのである。


寿司屋にもよるとは思うが、
初めての本格的な寿司が、
このたびおとずれた店で本当に良かった。


女将と大将の二人できりもりする、
たった7席のこじんまりとした寿司屋であった。


呑兵衛の我々夫婦はたった2時間半の間に、
小さなグラスビールを2杯、
日本酒を4合飲んだ。
飲んだというか、
飲む以外に道はなかった。
おいしい料理に酒は欠かせない。


そんな幸せな2時間半を思い出しながら、
今朝、通勤のため、駅までの道のりを歩いていた。
その時ふと思ったのだ‥


はて‥


女将は裏方(厨房)に居ることが多かったが‥


大将は、ずっとカウンターの中で我々に小皿料理やら、寿司を握ってくれていた‥


つまり2時間半もの間、トイレに行っていないのである‥


もし。


腹あんばいが悪かったら。


どうするんだ‥?


トイレが近い吾輩は、なんだか背筋に冷たいものが走った。


寿司屋のストイックさに恐れおののき、
やはり高いものにはそれなりの理由があると思った。
次はもっとお金を用意して、
リーズナブルなランチタイムにではなく、
夜の部におじゃまできたらと思う。


良い経験であった。

 

 


※次回は1/17に上げます