朝寝坊をしてもいい休日に、朝からしっかりとした雨が降っていると、
吾輩は大変幸福を感じるらしい。
ベランダから差し込む光が、白くぼんやりしているせいか、部屋の中もまた、青や灰の色に染められてゆく。
この薄暗さが、寝坊していることを忘れさせるのか?
寝坊を許すのか?
は、わからないが、
第一に、
吾輩の心の中には
"寝坊=好ましくないこと"
という感覚があるのであろう。
(休みなのだから、寝坊したっていいんだがのぅ‥)
とは思いつつも、
寝坊という言葉が使われるシーンを考えると
「今朝、寝坊しちゃって、お弁当作れなかったんだよね‥」
「ごめん!寝坊した!」
‥やはり悪びれる様子が浮かぶ。
多少の罪悪感をともなうことほど、
幸福の味は"濃口"になることが多い。
それはたぶん、いくらかの責任が付帯するからなのであろう。
たっぷりの油で揚げた上に、たっぷりの粉砂糖をまぶしたドーナツが極上なのは、たっぷりのカロリーが付帯するからなのだ。
この薄い青と灰の色の部屋に居ると、
(神様、吾輩はベッドから出ませぬ‥!)
と誓いたくなる。
特別、眠いとかではなく。
ただ、
元気とか健康とかいうのの真逆のことをしたくなるのだ。
しかもかなり強い"意志"を持って。
"鬱蒼"という言葉は、
"木々が生い茂っていて太陽の光を通さず薄暗い様子を意味する"そうだが、
この雨の日特有の部屋の様子にも、
是非、使わせて欲しい。
が、
今のところそんな日本語の使われ方はないらしい。
この時間が永遠に続いて欲しいなんては思わない。
ただ寝坊していい休日の、
静かなる朝のひとときに、この上ない幸せを感じる吾輩の心は、ケチではなくエコだなぁと感じる。
ゆたかではなく。
エコなのである。
※次回は1/24に上げます