日々のこと

昭和61年生まれの既婚子なしの女が、思ったことをだらだらと話すブログです。

アップルパイの話

先日、グラニースミスというアップルパイ専門店で、

夫の好物のアップルパイを買ったわけだが。

"専門店"というだけあって、


ダッチ クランブル
クラシック ラムレーズン
フレンチ ダマンド
イングランド カスタード


という、常時4種類のメニューに加え、


1種類の店舗限定メニューと、


2種類の季節限定メニュー、


さらにはバレンタインシーズンということで、


ブラックサンダーとコラボした二十日間限定のメニューの、


計8種類ものアップルパイが売られていた。


お店のショーケースをのぞくと、


カットされ、


ホール状に並べられたアップルパイがわんさか。


1ホール8ピースほどだろうか?


皆、きちんと中心を見つめ、お座りしている。


これは体育座りか?


ぐぬぬ...行儀がいい。


しかもカットされた断面をチラ見させている者もいるぞ。


ぐぬぬ...お前を蝋人形にしてやろうか!?


もっぱらそんな茶番をしている暇はなく、


さっさと私はフレンチ ダマンド、


夫は店舗限定のものを選び、


帰路につく。


帰宅後、


品性のない我々は、


のどがかわいたと言ってビールのプルタブを引っかき、


それと一緒に、


ケーキ皿に移したアップルパイを、


フォークでつつき始めた。


いくらなんでもそこは、


スパークリングか白ワインだろと思うのだが、


マリアージュとか言ってる場合ではなかった。


私たちはおそろしくのどがかわいていたのだし、


私たちはおそろしくこのアップルパイを楽しみにしていたのだ。


そう...


私はこのグラニースミスというアップルパイ専門店を数年前から知っている...


ということは。


数年もの間、ここのアップルパイを食べずじまいにしている...


真実がいつもひとつであるように、


理由はただひとつ...


私はアップルパイが好きでも嫌いでもないのだ。


つまり無関心。


たまに催事を見かけたり、


たまたま店舗の前を通りかかることがあるが。


(ぬぁ〜、ここにもグラニースミスできたんだぁ。ぬぁ〜、人気なのねぇ〜ん。)
※かなりマヌケな感じで再生すると◎


と、無関心の極みのような戯言で片付けてしまっていた。


でも私は、


このグラニースミスというひとつの企業に興味があった。


本当に次から次へと店舗を増やし、


しかもアップルパイしか扱ってないとみる。


むむむ...


おいしくなけりゃあ、


こんなに拡大できないであろう...むむむ、グラニースミス、如何なる企業ぞ?


また、我が夫がアップルパイ好きだということもあり、


ある日を境に、


"今度どこかでグラニースミスを見かけたら、試しに買ってみよう"


と思うようになった。


ほんで食べた感想だが...


"丁寧でやさしい甘さのアップルパイ"


それに尽きる。


ちゃんとした人が、


まじめに、


丹精込めて、


作ったんだろうなという味がした。


不自然に甘くなくて。


素朴なんだけど特別な。


じんわりおいしいアップルパイ。


鼻につく表現をすれば、


"体が喜ぶ味"。


そして私は気づいたのだ...


アップルパイは手づかみで食べたほうが食べやすいということに...


そんでもって。


なんとなくそうしたほうがいいということにもだ...


最初、デザートフォークでつついていたのだが、


下のパイ生地が切れないのなんのって。


フォークの刃先で、


生地を切ろうと頑張ってみたものの。


切れない。


全然、切れてくれない。


時を同じくして、


目の前でアップルパイと格闘している夫のお皿を見るや、


まるで殺害現場かのような有様。


アップルパイの上面を埋めていたであろうクランブルは、


見るも無残に飛び散っていた。


せつなひ...


わずらわしくなった私は、


アップルパイの背中をもちあげ、


そのままガブリとひとくち、ふたくち、みくち。


こぼすことなく食べ終え、


なんだかアップルパイを制覇した気持ちになった。


このアップルパイ体験により、


今週末は長年行ってみたいと思っていた上野毛のパイ専門店に行くことにした。


今度はアップルパイ専門店ではなく、パイ専門店。


専門店って...


狭いようで広いような。


広いようで狭いような。

 

 


※次回は3/1にあげます