年始に大量閉店を発表した幸楽苑。
("いつまでもあると思うな幸楽苑といきなりステーキ"か‥)
と、多くの女性が行ったことがないように(※かなりの偏見)御年(おんとし)33歳の私もまた、未体験なのである。
これすなはち。
(ヴァージン幸楽苑‥！？)
おそろしくチープな言葉に、
自分でもゾッとしたのは言うまでもない。
大量閉店について調べてみたところ、
割合として多かったのは東海地区の閉店。
店舗ごとに"随時発表"とされていたが、
道玄坂店の行方はまだ発表されておらず‥
ということはなんだ‥
この度の来店で気に入れば‥
1.ポイントカードおよびチャージ式プリカの新規加入で、初回特典の半ライスが1杯無料！
2.ポイントカードの場合、5回毎の来店にて特典のチャンス。5回でトッピング1種無料、10回でギョーザ1皿半額、15回でラーメン1杯無料！！
3.足しげく通ったことにより、ついに常連客席の仲間入り。ご飯の量が明らかに多いこともあれば、チャーシューが1枚多いことも‥常連客のみに許された境地に到達！！！
といった常日頃からの特典がつくやもしれない。
(※幸楽苑にはポイントカードもプリカもありません)
(ムハハハハ！"常連客"に！！！おれはなるっ！！！！)
コレっぽっちも知らない麦わらの一味になっているあたりで、
心の病気になりかけている。
Oh my god......
まぁ、いい。
妄想は自由である前に無料(タダ)だ。
課税もされていないものに価値などない。
よって、
この数行にも価値はなく、
「損したぞ！」
などと言われる筋合いはないのだ。
(フハハハハ！)
そもそも。
幸楽苑はあのような低価格帯で営業しているのだから、
常に¥50割引のクーポンを使っているも同然なのではなかろうか。
ポイントカードの捺印やプリカの勧誘なぞで、
貴重な"従業員の時間"を奪わないでいただきたい‥という、幸楽苑のCEOの声が聞こえたような気がしたが、
おそらく、
いや、絶対。
気のせいであろう。
とにもかくにもだ。
渋谷の幸楽苑はまだ潰れないらしい。
大量閉店の対象店舗かどうかはわからんが、
今のところは"今日も元気に営業中！"。
梅が見頃だろうが。
春キャベツが出まわろうが。
あいかわらず関係のなさそうな顔をしている渋谷も、
心なしか新型肺炎だけは気にしている模様。
若干、
人気(ひとけ)のない道玄坂に、
目に見えないものを恐れる人間の心理を垣間見る。
さぁさぁ。
飯食うべ。
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何組かの"客引きあんちゃん達"を横目に道玄坂を登り、
(このまま突き進むと神泉駅に着くんだっけか‥神泉って何線じゃ？)
などなどと考えている内に、
(出たー！黄色い看板！！！)
煌々輝く簡素な看板は、
いつかどこかでお見かけしていたものと一緒です。
入り口の隣にあった外国人向けのポスター(？)も念のため‥
(440イェン、タックスインクルーディド)
ガタつく手動ボタンを押すと、
自動ドアまでもガタつきながら開きました。
「いらっしゃいませー、お好きなお席へどうぞーっ、」
いくつもの店がひしめき合うここ渋谷で、
(このように広い店があっただろうか‥！？)
と言わんばかりの広々とした店内。
とはいえ作りは古く、
少し神経質な私は入店15秒にして
(1日も早いリニューアルを‥！)
と思ったのでした。
カウンター好きのわたくしではありますが、
ここのスツールは座面から地面までが遠く、
短足の私には少々難儀な作りになっていました。
さっさと断念してテーブル席に陣取り、
テーブルに貼られたシール状の期間限定メニューに
(ほえー、ファミレスのようじゃのぅー！)
と新鮮な気持ちになってみたり、みなかったり。
さっそく用意されていた三つ折りのメニューを開きます。
ベーコンかのような横長のバラ肉がひっかけられたラーメン。
中華飯店の王道ともいえるタンメンに、
(ベーシックな中華そばってのはひらひらのチャーシューじゃないのねん‥
って、やっす！¥440て‥よんひゃくよんじゅうえんのことですか！？)
安過ぎる値段に驚きを隠せず、
(アレー？フラペチーノっていくらくらいだっけー？)
と意地の悪いことを考えてみたり、たり。
テーブルの変わり種メニューにも目をやり‥
(いや。ないな。)
メニューに戻り今の"口"と相談。
(安西先生‥！！)
(ギョウザが食べたいです‥‥)
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「おまたせしました、"ダブル定食"です」
(だはーっ！！！欲張り！贅沢！三昧！)
なかなかに空腹だったので、
今夜はガッツリメニューにしてみました。
メニューでは気づけなかったのですが、
ご飯にはザーサイがつくようです。
定食にはやっぱりお新香ですよね‥！
ギョウザはこの"「極」"という普通の肉ギョウザと、"ベジタブル餃子"という肉とニラとニンニクの入っていない野菜だけのギョウザの2種類から選べるのだそう。
何も告げなかった私のは自動的に"「極」"になった模様でつ。
(肉で結構！肉ギョウザが食べたかったのだ！)
ひとまず。
手合わせの前に汁物を拝借。
(ズズッ‥ズズズズズ‥)
安定の中華スープ。
中華そばも食べたかったので、
これで食べた気になれました。
レンゲでかきまぜると、
(君たち‥！)
たくさんのメンマ氏に遭遇。
潜伏していたとは‥なかなかにやりよりますな。
そして。
押し寄せるギョウザ軍をひとしきり眺めてから、
(いざ出陣！！！)
わしわし‥
ひょいひょい‥
わっしょいしょい‥
(ああ‥‥‥う‥ま‥ば‥や‥し‥‥‥)
ほどよい餡の量に肉汁の旨味。
そこにシャクシャクと食感に加勢する野菜。
とまらないご飯に罪の意識がぶっ飛び、
夢中で米粒を掘る！
お茶碗にみっちりと盛られたご飯を見た瞬間、
(この量を夜に食べるのは‥あかんな。重罪よな。)
と思っていたのに。
要らぬ"乙女心"はいとも簡単に崩壊するようだ。
いくら食べてもなくならないんじゃないかと思うほど、
心置きなくギョウザをむさぼれるこの"ダブル定食"。
(完全に正解！)
食べ終わってレシートを見ても。
(完全に正義！)
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今年は腹八分目におさえるというなんとなくの目標があったのに。
幸楽苑デビュー戦のご褒美とか言って、
腹十二分目までに引き上がってしまった。
"安くてボリュームがあってうまい"
それが幸楽苑の醍醐味なのであろう。
そしてその醍醐味は、
正解と正義と少しの罪の味がしました。
暴走したくなった時には是非！
