日々のこと

昭和61年生まれの既婚子なしの女が、思ったことをだらだらと話すブログです。

新米の話

今年も無事に秋をむかえた。

ということはつまり。


今年も無事に新米が食べられる。


そして今年も自動的に。


夫の実家の新潟からはコシヒカリの新米が。


私の実家の青森からは青天の霹靂の新米が。


同じタイミングで、

 

神奈川の我が家に届けられる。


私はこの時期だけに米袋に貼られる、


"新米"


のシールが好きだ。


意味不明にギラついていて、


めでたさと


せつなさと


こころづよさ


がある。


(‥ん?)


私がMacBookにステッカーを貼るタイプの人間なら、


迷わずこのシールを貼るし。

 

私が人の道を外れた時には、


迷わずこのシールを盗むだろう。


(やめれ)


そしてつい先日、


夫の祖父母宅より新米が届けられ。


昨夜、


パリのファッションウィークよろしく、


新米ウィークが開幕した。


私は白米で白米を食べるほどの白米好きで、


目には目を
歯には歯を
新米には梅干しを


という謎の心得をもっている。


しかし‥


昨日の買い出しの際。


私の遺伝子はささやいたのだ。


『"禁断のチーズご飯"もオヌヌメよ』


と‥


※説明しよう!
"禁断のチーズご飯"とは、炊きたての白米の間に溶けるチーズを挟みこむといった、わたし的デブ飯のことなのである。
上下の白米の熱で溶かされたチーズは糸を引き、食べた者たちを黄泉(よみ)の世界ならぬ美味の世界にいざなう。
チーズの塩味と乳製品独特のコクが、白米の魅力を最大限に引き立て、箸よりもしゃもじの動きを止めなくする。
白米好きなら誰しも、この食べ方の危うさを知っているだろう!


遺伝子にあらがうことができなかった私は、


せめてもの気持ちで、


一番枚数の少ないスライスチーズをカゴにいれた。


買い出しに出かける前に、


炊飯器のスイッチをいれていたので、


帰宅後の我が家には新米の香りがたちこめていた。


新米は炊けた時の香りも違う。


どう違うのかは言葉で表現できないが、


強いて言うと、


単純に嗅覚が"うまそう"と判断する。


急いで夫と玉ねぎを追加して炒めるだけのお肉を調理し、


一緒に買ってきたたらこなんかも切って、


『納豆も良い』
『生卵も良い』
『梅干しは買わなかったから梅のふりかけじゃぁぁあ!』
『味噌汁に"追ワカメ"する?私はとろろ昆布するけど‥』
『韓国のりも食べたかろう!』


とドタバタしたのちに、


ついに新米様との対面の時をむかえた。


新米様は米粒の先が黄みがかっていて、


(そうじゃそうじゃ、これが新米様じゃ!)


と思った。


箸でひとすくいしてまずは一口。


静かにうまい。


細胞が目覚めるとかいうのではなくて。


素朴なうまみにハッとなる感じ。


ああ、自分は日本人なんだなぁ‥


と実感するような。


静かなうまみがある。


フランス人は。
アメリカ人は。
ブラジル人は。
インド人は。
エジプト人は。


なにを食べると、こんな感覚になるんだろう‥と、思った。


敬愛なるJ.D.Salingerなら知っていそうだ。


今は美味の世界に居るから、


黄泉の世界に行ったら聞いてみるとしよう。

 

 


※次回は10/5にあげます