日々のこと

昭和61年生まれの既婚子なしの女が、思ったことをだらだらと話すブログです。

和菓子の話

二子玉川に出かけると、いつも行列をなしている店がある。老舗の和菓子店のようだが、
我々夫婦は和菓子に対する関心が薄く、
毎度毎度スルーさせてもらっていた。


結婚してまもなく四年となるが、飲兵衛の夫がおはぎやらだんごを、自ら買って食べている姿は見たことがない。
どらやき、わらびもち、ようかん、おしるこ‥
さすがに京都で行った、
老舗甘味処では、わらびもちとぜんざいのセットを頼んでいたが、
それも今思うと、
そこに行きたがっていた吾輩の付き合いに過ぎない。
とはいえ。
かくいう吾輩もたい焼きはあずきよりもクリーム派で、
つぶあんこしあんの論争に巻き込まれた試しがない。


そんな和菓子に疎(うと)い我々夫婦だが、
今回は目当ての食事処の開店まで時間をつぶさなければならず、
「ちょいとこの列に並んでみますかぁ〜」
と、ノリで並ぶことに。


ショーケースの最下段には二等辺三角形のやわらかそうな"豆餅"に、重鎮"豆大福"がかまえていた。
おそらくこの"豆大福"のあんなしが"豆餅"なのだろう。
その上の段のあたりに、みんな大好き"おはぎ"がならぶ。
最上段には、東京の和菓子店らしく小ぶりないなりが鎮座し、その隣には食べ切りサイズの助六鮨も置いてある。
ちなみに巻物は太巻きではなくかんぴょう巻の模様。
たった今出来上がったという、焦げ目の上に琥珀色のタレがかかった"みたらしだんご"は、ショーケース端(はし)に。
つやっつやのタレがなんとも美しい。
季節商品と思しき"桜餅"と"うぐいす餅"は、
お客さんの目に止まりやすいようになのか、
上から二段目のマネキン位置(※勝手にそう呼ぶことにした)に置かれていた。


和菓子には疎いものの、
吾輩は昔から"うぐいす餅"が大好きなのである。
元々きなこが好きだということもあるが、
あのやわらかい求肥ときなこ、そしてこしあんの三重奏がマジでたまらない。
トマトとナスとチーズくらい、
最強の相性というか。
黄金比というか。
餅つもたれつの関係というか。


ひとまず"うぐいす餅"は買うことにし、あとひとつを何にするかでシンキングタイム‥


吾輩は前に並んでいるお客さんのチョイスを盗み見て、
この和菓子店の看板商品をリサーチした。
やはり老舗和菓子店‥おはぎと豆大福が人気の模様。


三つの饅頭より一口の塩辛なんていう語録は存在しないが、
酒飲みはしょっぱ党が多いという"飲兵衛あるある"を裏切らない夫は、
案の定、
「俺はね、いなりと豆餅」
と、比較的甘くないものをチョイス。


吾輩はおはぎよりも大福のほうが好きなので、
うぐいす餅と豆大福を選んだ。


帰宅後、
ミーハーな吾輩は
(ついにあの行列店の和菓子が食べられるのだ‥!)
と意気込み、
夕飯用に買ってきたケンタッキーフライドチキンそっちのけで、
いそいそと和菓子たちのひしめき合うプラスチックパックを開封


好きなものを先に食べたい‥
しかも大っきな口で大量に含みたい派の吾輩は、
小皿に取り分けたうぐいす餅に、
行儀というものを知らない人かのようにかぶりついた。
そして‥
普通の人でいう二口に値する一口をほおばってから気がついたのだ‥


吾輩「‥今気づいたんだけどさ。これ、黄色いきなこだけど、お店で"うぐいす餅"って書いてあったよね?"うぐいす餅"って、うぐいす色(黄緑色)のきなこがかかってるから、そう言うんじゃないのかね?」


吾輩のくちびるからこぼれ落ちた黄金色のきなこは、無事小皿に着地した。


夫も
「たしかに黄緑色じゃないね、ソレ‥」
と言い、
すぐさまGoogle先生に尋ねてくれた。


どうやら"うぐいす餅"というのは、あんを求肥などで包み、それを楕円形に整え、さらに左右の端を引っ張り"うぐいすの形"にした餅菓子のことらしく、
それにまぶすきなこの色は限定されていないらしい。
ただ、一般的にはうぐいす粉‥つまり黄緑色のきなこをまぶす模様。
しかし最近は、よもぎを練り込んだ餅であったり、それこそ吾輩のかぶりついたもののように黄金色のきなこをまぶすものもあるのだとか。


うぐいす餅が大好きだと思っていたが、
吾輩はきなこの色の違いにも気づけなかったようだ‥
ううむ‥
やはりこの業界では素人なのであろう‥


ただ餅もあんも甘さ控えめで大変口にあったため、
夫とともに
「リピ確定!」
と叫び、
この業界にも少しずつお世話になろうと思っている。

 

 


※次回は3/14に上げます