日々のこと

昭和61年生まれの既婚子なしの女が、思ったことをだらだらと話すブログです。

ながいものの話

新潮社から出ているドストエフスキーの"カラマーゾフの兄弟"は、上中下巻からとなり、その話の長さは果てしないものとも思うが、
青春18きっぷを使った際の、
静岡に於ける東海道本線の距離としての長さや、大腸検査の際に、
小型カメラが大腸の中を進んでいく時間の長さに比べたら、
いやいや‥
造作もないわけで。


36年ぽっちの我が人生に於ける
"吐くほど長いものランキング"
は、
第一位 人生
第二位 自分の大腸
第三位 東海道本線(※静岡)
今のところこの順位ではあるが、
このたび、
それにつづく
第四位
が決定した。

 

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たった500グラムの栗の鬼皮をむくのに1時間。
そこからベイキングソーダを使い、アクを抜く作業プラス余分な渋皮をこすり洗うのに20分から30分。
そのベイキングソーダから洗う作業をカケル2回‥イコール約50分。
ベイキングソーダを抜くために1、2回ほど水だけで炊く作業は、
疲れきって1回のみ‥20分。
最後に味を入れるために、砂糖入りのお湯で煮詰めること20分。


やっとできた頃には、
「やってらんねぇぜ!」
と、500ミリ缶のプルタブをひっかいていたため、
アサヒスーパードライ片手に、
パストラミビーフをつまんでいた我が口は、
当然ながら晩酌モードとなり、
味見であってもやや遠慮したかったので、
自分では味見せず、
我が夫に毒味させることに。


「ほう‥あまり甘くないんだね」


普段から甘いものを口にしない彼は、
当然ながらモンブランやマロングラッセとは無縁の人生を歩んできた。
ちなみに吾輩の好きなケーキ第一位はティラミスであるが、
二位は常にモンブランかチーズケーキである。
芋栗南京なら、
いも<かぼちゃ<くり
の順。


たしかにレシピよりも砂糖控えめにはしたが、
甘くないだなんて‥
ある?
いやいや。
ないない。
だって250グラムもの砂糖を入れましたわよ?
夫の「あまり甘くない」という感想に驚きはしたが、
菓子類はしばらくたってから味が入るため、
出来たてを食った夫のソレは、
まだ味が定着していなかったということにした。


翌朝、
意気揚々とこやつを気に入りの皿によそったものの、
我が家には和物の楊枝類がなく、
かといってステンレスのデザートフォークでつつくのも無風流というやつであるため、
チョップスティク(※ただの箸)でいただくことにし、
いざ実食!
したわけだが‥
おや?
おやおやおや‥?
昨夜の夫の証言どおり、
たしかに甘さ極極控えめであるのと同時に‥


はて‥?
吾輩はこの栗の渋皮煮というものを食ったことがあったかしらん‥?


どうやら私は栗の渋皮煮を初めて作り、
初めて食ったようだ。


調理過程で250グラムという、
小山ほどの砂糖を投入したため、
てっきり甘いシロップ煮のようなものを想像していた。


とはいえ自分が渋皮煮を初めて食ったことに変わりはない。


だからこれが調理に成功したのか失敗したのかもわからない。
甘露煮やマロングラッセとはまるきり違い、
ものすごく
"栗!!!!!"
という感じだ‥
栗好きのためのご馳走という印象もある。


こういうものはいっきにふたつもみっつも食べられないので、
昼間に改めてつまんでみたのだが、
う〜む‥
この味が正しいのか違っているのかはわからないが、
なかなかにうまい。
うまく感じられてきた‥
いや‥?
手間暇かけて作ったから、
うまいと感じようとしているのか‥?
‥やはりわからない。


ひとまず栗の渋皮煮を食べたことのある御方。
よければどのような味だの、
何に似ているなど、
ご存知でいらっしゃいましたら、
是非ともお教えくださいまし。


なんでもかんでも簡単に手に入り、
なんでもかんでも調べられる時代になったとはいえ、
こちらはスーパーなぞでは手に入らず、
レシピとてどのような味になるかまでは書いておらず‥
苦肉の策とでも申しますか、
自作の渋皮煮の断面や表面を、
さまざまな画像で比較することしかできずにいます。


令和四年、初秋。


己の無知とも思い込みともとれる浅はかさ?
間抜けさ?と、
栗の渋皮煮という果てしない料理を知り、
これぞまさしく
いとおかし
とぼんやり思いふける夜長に思うことは、
"とりあえずもう一回作ってみよう"
ということらしく、
探究心と執着心はイトコくらいの距離感なんだろなー‥
と、不真面目ながらに思うのでありました。

 

 


※次回は9/20にあげます