先週の土曜日に健康診断に行った。
同じ時間枠の方々がほぼ20代前半と思しき方々で、
待合室にはワーワーキャーキャーという声が響いていた。
体重に身長の測定。
定番の採血。
心電図や聴覚検査など。
各検査ごとのブースに出入りする形で、
名前が呼ばれるまでは、
ブース前および中央のロビーにあるソファにて待機。
同じ時間枠の方々は、
どこかの企業のインターンの子たちなのだろうか?
ともに受けている人たちが顔見知りらしく、
男女かまわず声をかけあっていた。
私の後ろの席には、
ひときわしゃべるタイプの根明そうな女の子が座っており、
休むことなくしゃべり倒していた。
その子が
と声をかけた、
おそらく"マリコ"が、
絵に描いたようなけだるさで
『‥んー?』
とこっちを見たかと思うと、
その子に向かって片手をヒラヒラと振るや否や、
すぐに居直って、
スワロフスキーの埋め込まれた長くきれいな爪で、
スマートフォンをカチカチしはじめた。
平成8年生まれだと仮定しても、
"マリコ"とは‥
ちと古風な名前である。
絹糸のように細くまっすぐな髪の毛は、
腰あたりで揺れ、
頭蓋骨なんかは、
東アジアの人間のものとは思えないほど小さい。
"マリコ"はギャルではなさそうだが、
ギャル寄り清楚系‥
いや、
それこそ目立ちこそはせんが、
隠れたファンがいる、
やさぐれ美人系かもしらん。
それからも"マリコ"は誰かと話すこともなく、
ずーっとスマホをさわっていた。
最後に"マリコ"は隣にいた、
今っぽくはないが素朴で性格が良さそう&頭も良さそうな女の子に、
『あーあ‥お腹すいたぁー‥』
と言い、
そのタイミングで看護師さんに名前を呼ばれた私は、
心の中で
(アディオス、"マリコ"!)
と言ってその場を去った。
"マリコ"みたいな人に、
私のような"絶妙に残念な人間ども"はなりたかったはずだ。
でもきっと。
腹は減るし。
根明な友達には声をかけられるし。
皆と同じように健康診断に来なくてはならない。
私たちと同じように‥
もしくはそれ以上に。
大変なのだろう。
※次回は6/7にあげます