日々のこと

昭和61年生まれの既婚子なしの女が、思ったことをだらだらと話すブログです。

平積みされた文庫の話

たまにふらりと立ち寄る、気に入りの本屋がある。奥渋にあるSPBSという本屋で、
本屋と言うよりも、
本のセレクトショップという感じのお店である。


雑貨やアパレルの商品がかなり充実しており、
若い世代に人気のオーストラリア発のスキンケアブランドAesopの一部商品が扱われていたり、
このたび訪れた際は、
期間限定なのかはわからないが、
我々夫婦もひいきにさせてもらっている、
三宿のハンカチ屋さんの商品が置いてあった。


その店で以前、
ざっくりと読んだ韓国人作家の小説が面白く、
何ヶ月もの間、
思い出しては気になり、
思い出しては
(買ったほうがいいのかしらーん‥)
と、悩んでいた。


文庫でなく、
ハードカバーなのが悩みの種なのである。
整理されて文庫一色となった我が狭き本棚には、
ハードカバーの居場所なぞ1ミリもない。
どうせ1回しか読まずに、
良い頃合いに処分されてしまうことを思うと、
悩みの種はどんどんと土の奥深くに埋もれてしまうのだ。


とはいえ、
本とは本来そういうもので‥
そういう扱いをされても、
本は全くかまわないのであって。
その作者とて、
『それでいいんですよ!』
と、なぜか土井善晴先生の口調で言うのであろう。
(※たぶん違う)
とりあえず、寄り道をしたくなった、とある日の仕事帰りにちょろっと立ち寄ってみた。


ここにはワンシーズンに一、二回ほどしか伺わないので、そこまで頻繁に訪れている訳ではないのだが。
あいもかわらず、
見たことのない国内の雑誌から、
海外の作家‥特に最近はアジア人作家のものを置いているようで、
このたびも吾輩は台湾のかたが書かれたエッセイ集を立ち読みさせてもらった。


もちろん文庫の扱いもあって、
縦4冊×横16冊くらいで平積みされたコーナーで吾輩は、
"コジコジにきいてみた"
という、
コジコジがあらゆる悩みに一問一答するという趣旨の文庫本をパラパラとめくり、
速攻で飽きて、
エドワードホッパーの絵が表紙の‥タイトルを完全に忘れた文庫を手にとろうとした時、
(‥むむ?)
と、思い、
(‥むむむ!?)
と気づいたのである。


縦4冊×横16冊、計64種類の平積みされた文庫の中に一種類だけダブっているものがある‥
タイトルは確か
"大人の友情"
だったように思う。


吾輩はトランプの神経衰弱を思い出しながら、
"大人の友情"だけが対になっている理由を考えてみた。
考えてみたところ、
"理由はない"
"ただの間違い"
ということにたどり着いた。


もしかしたら、
平積みしたかたのごり押しだったのかもしれない。
が、そんなにすすめたいのなら、もっと目立つように
(面陳するわなぁ‥)
と、思った。


"大人の友情"‥
残念ながら吾輩は全くもって興味のないタイトルである。
また来週行って、
まだダブっているのか、
それとも違う文庫をダブらせているのか‥
(確認したほうがいいのかしらん‥?)
と考えた時、
これが巧妙なヴィジュアル・マーチャンダイジングであることに、
吾輩は気づいたのである。
(※たぶん違う)

 

 

 

※次回は5/2に上げます