日々のこと

昭和61年生まれの既婚子なしの女が、思ったことをだらだらと話すブログです。

【PARIYA】@渋谷

“友達以上、恋人未満”
に悩むのは20代前半。
30代ともなれば、そんな関係に線引きができていて、見切りもついている。

我々アラサーが悩むのは、
“予定まで30分以上、1時間未満”
なのだ。
これ以外の悩みなど、
とるにたらないものだろう。

お察しの通り。
私は。
今。
南の一つ星を。
見上げて‥
じゃなくて。
私は今、
“予定まで30分以上、1時間未満”
に居ます。

そして困ったことに、
(小腹が‥‥‥)
すいています。

まずは状況から説明しますと‥
こんにち、私は。
19時20分より始まる渋谷での脱毛の為、
18時に仕事を終え、
18時14分発の銀座線に乗り、
18時24分に渋谷に降りたったわけです。

脱毛の施術時間はおよそ30分。
つまりここで小腹を満たさなければ、
およそ1時間半は空腹状態。
我慢しろと言われれば我慢できるものの、
やっとこ業務から逃れられたという心持ちが、
この食欲を加速させる。

そして予約時間の10分前にクリニックに着くことを考えると、
(残る時間は40分か‥)

カフェに入って席を案内され、
メニューを開き、
(カフェラテでいいような気もするけど、
お腹すいてるしなぁ。
リンゴとほうれん草のスムージーならお腹に溜まるけど、
手の込んだメニューだから、
出てくるのに時間がかかるしなぁ。
生しぼりのパイナップルジュースやフロートも時間かかるよなぁ。
やっぱりカフェラテかなぁ。)
とかとか考えている間に、入店から軽く5分は過ぎている。

注文して5〜10分。
ホッとひと息ついたかと思うと、
(えっ、あと20分じゃん!)
会計時間5分を計算すると、
実質15分。
そう、たったの15分。

その15分のために、
1杯¥650のカフェラテを買ったという『結果』よりも、
様々な事情を考慮して決めたオーダーのことや、
残り時間を計算して飲む、“焦った味”のカフェラテのことなどなど。
それまでの『過程』が、
(ああ、わずらわしい‥)

げんなりした自分の顔がいとも簡単に思い浮かぶ。
そして私の頭の中にある、
“体力残量マーク”(※携帯電話の電波残量のマークと同じ)は、
けたたましいサイレン音とともに、
“EMPTY”
の文字を示し、
それからの時間を恐ろしく憂鬱なものに変えてしまうのです。

じゃあ、どうするか?
カフェやレストランがダメで、
約40分で小腹を満たす方法。
ファーストフード?
いいえ、カフェやレストランとさして変わりありません。
コンビニで肉まん買って食う?
‥‥‥そんなん書いてもつまらんやろがい!

皆さま。
ご存知でしょうか。
ハングリー達が巣くう街ここ渋谷に‥
知る人ぞ知る‥
(“女の園”があるんざますよ、おーほっほっほっほっ!)

前説が長くなりました。(滝汗)
渋谷に降りたった私はついに決心し、
女の園”に向かい始めます。

この脱線、寄り道、茶番‥
なんでもかまいませんが。
このくだりがなければ、
(BBAが飯食う話の何がおもしれぇってのな!)
なので、
どうかご容赦願います。
南無。


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銀座線の改札を通り、
駅直結の東急のデパ地下に下りた私は、
夕方時で溢れかえった人混みをかきわけ、
お目当ての“女の園”を目指しました。
東急Food showの、東横のれん街に続く出入り口の手前。
そこに渋谷の“女の園”はあります。

見事なまでに女子、女子、女史!
たまに外国人観光客が居るものの、
だいたいがお一人様女子。

フロアマップに“イートスタンド”と記されたここは、
デパ地下のスタンド式フードコート。
このフロアで買ったものは全て、ここでの飲食が可能です。
“女性版立ち飲み屋”と称してもいいような気がしますが、
まぁ、
もちろん、
飲んでいる人などはいません。
みな一心不乱に飯を食らい、
腹を満たすことに全力を注いでいます。

このカオス的スポットを見つけたのは1月上旬。
帰省土産を買いに来た時でした。
祖父母用に一保堂で番茶を買い、
店員さんが気持ちの良い方だったので、
私は幸せな気分で買いまわりを続けていました。
すると、
(ほぇー、東急のデパ地下にこんなところあるんだー‥(※辺りを見渡して)なんか‥カオス。うむ、カヲス。)
パックに入ったオムライスをムグムグするお母さん。
巻き寿司をつつく小さなおばちゃん。
たこ焼きを頬張りながらスマホをいじる若い子。
立ち姿で飯を食らう女子どもを横目に、
(あちきもいつか仲間入りしたいでやんす!)
と思ったのでした。

私は上京して10年以上がたちますが、
この“大都会”東京で、
こんなに多くの女性が立って飯を食らう絵面は、
いまだかつて見たことがありません。

例えば人が恋に落ちるように。
この世には不思議な出来事が数多くあって。
ここ渋谷のデパ地下に。
女性の“ジプシー”が集まるようになったのも。
(神のみぞ知る‥)
ことなのかもしれません。
もしくは。
(これがかの有名な“渋谷七不思議”のひとつ‥!“ジプシーストリートの謎”!)
とか言う、
ちゃらんぽらんな30オーバーのBBAが増殖したせいか。
それとも。
本当に“渋谷七不思議”なのか。
はたまた。
単に時間のない飯難民の避難所‥
(これ以外考えられないでしょ。)
ですよね、ですよ。

そんなスタンド式フードコートの一角に店をかまえるのが、
デリカテッセン&ジェラートショップの【PARIYA(ぱりや)】です。
前回通った時も長蛇の列をなしていたのですが、本日もまた
(うぎゃぁ、並んどる〜‥)
しかしそれはデリの列らしく、
ジェラートのショーケースでウロウロしていた私に店員さんが、
ジェラートでお待ちですか?先会計となりますのでどうぞこちらへ‥」
とレジを案内してくれました。
ジェラートならこの数分で食べるのにちょうどいいですよね。

会計を済ませ、
支払い済みの証として渡されたレシートを、
今度はジェラートを盛りつけてくれる店員さんに渡します。
ショーケースにはまさに鮮やかと形容できる、
フレッシュなジェラートが並び、
あまりの種類に迷う、迷う!
(まぁ、これが最後じゃないし‥)
と思い、こんにちの私は、
「ガトーモカとモンブランを‥」
と注文しました。

軽く練られたジェラートはコーンの上でそびえ立ち、
二つの嶺(みね)が出来上がりました。
「お味見用にもう1種類お付けしております。どちらになさいますか?」
「あっ‥‥‥じゃあー‥‥‥メープルウォルナッツチーズケーキで‥」
ちょこんとオマケの一口が付いたジェラートを渡され、
私はカウンターの空所に移動しました。

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右がモンブランで左がガトーモカ。
まずはオマケから楽しみます。
(うむ、チーズケーキ味にハズレ無しね!)
ほのかに香るメープルとチーズケーキの爽やかな酸味。
ナッツとビスケットの食感がイケてます。
お辞儀姿になってしまったガトーモカの頂(いただき)をすくい、
(おお、ビター・イズ・グッド!)
モカ味のジェラートに潜伏する、
ガトーショコラピースで口が一杯になった時には、
(昇天っ‥‥‥!)
安い女ですのですぐに幸せの絶頂に至ってしまいます。
続いてモンブランの表面を削ると、
粒状の茶色いマロングラッセと黄色い栗の甘露煮が顔を出しました。
(私が茶色も黄色も好きなことをなぜにご存知ー!?)
と作り手にはおよそ届かぬ想いを延々と繰り返す。
ええ。
まぁ。
わたくし。
(無類のモンブラン狂でございますわよー!)
常日頃から茶色と黄色のモンブランの素晴らしさを考えてはため息をついているくらい、
両方とものモンブランが大好きなのです。
そのモンブラン愛に答えるが如くのこちらのジェラート
(パーフェクツ!)
なくならないでと懇願しながら食べる切なさもろとも、
美味しくちょうだいいたしました。

辺りを見渡すと自分の年嵩ほどの女性が1人、2人とジェラートを堪能しておられ、
なんの気兼ねもなしに至福の時を過ごせるこのアラサー世代に、
無意味な生命力を感じました。
無事にデビュー戦を果たした私。
今後もこちらにお世話になるのは間違いなさそうです。


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後日、【PARIYA】のツイッターで知ったことなのですが、
ここのジェラートの種類は日替わりらしいです。
本物のフレッシュ‥イコール、鮮度を味わえる店、【PARIYA】。
二子玉川の【バールジェラテリアアンティカ】、
みなとみらいの【ジェラート フィレンツェ】、
銀座の【ハンデルスベーゲン】に並ぶ名店であることは間違いありません。