日々のこと

昭和61年生まれの既婚子なしの女が、思ったことをだらだらと話すブログです。

渋谷の喫茶店の話

おそらく何を注文しても
(おいしいコーヒーの味がする)
と、感じるだろうから、
スマトラマンデリンという、
どこにあるかもわからない、
国っぽくも島っぽくもある名前のコーヒーを注文した。


渋谷の宮益坂を一本路地に入った、あまりひと気のない場所にある喫茶店だというのに。
店の扉を開けると、
怖いくらいに客がいた。


カウンター造りのやや細長い店内には、
二人以上で利用できるテーブル席もある。
食べログの情報によれば、
カウンター8席、
テーブル42席。


薄暗く、常連客で埋められていそうな独特の雰囲気の店内では、あまりキョロキョロすることができず、
ひとりで来店した吾輩は、
さっさと案内されたカウンター席に着席した。
残念ながら、
席を立つ時にも、テーブル席のほうまでは確認できなかった。


言わずと知れた渋谷の名店‥"茶亭 羽當(ちゃてい はとう)"。


吾輩は韓国人俳優のシン・セギョンさん(Shin sae-kyeong)のInstagramで、ここの存在を知った。
彼女は数年前の来日の際、こちらを訪れていた。
とてもオシャレなかたなので、
吾輩もいつか行ってみたいと思っていた。


そもそも渋谷のようにエネルギーに満ち溢れた街で、
都会の喧騒から逃れようとするのもおかしな話ではあるが。
ここは本当に渋谷であることを忘れさせてくれる独特の雰囲気がある。
穏やかとも違い‥アットホームとも違う。
あえて言うなら時が止まった感じ。


ただ、やはり渋谷である‥
人の回転は早いし、
次から次へとドアの開く音が聞こえ、
ひとり、
またひとりと、
お客さんがやってくる。
他人に煩わしく思われないことをモットーに生きている吾輩は、
さっさとコーヒーを飲みきり、
店を後にした。


カウンターの席を案内された際、
手荷物を座席下にある荷物入れに入れるよう指示があった。
小さな紙袋に本を入れていた吾輩は、
コーヒーを飲みながら本を読むつもりでいたので、
その紙袋だけをカウンターの上に置いていたのだが‥
注文する時にもふたたび、
荷物は荷物入れに入れるよう案内があった。
(ああ‥注文した品以外はテーブル上に置かないで欲しいってことなのかしらん?)
と察した吾輩は、さっさと本を取り出し、その紙袋を荷物入れにしまった。
紙袋が倒れてカップにぶつかったら大惨事である。
なかなかに考えられた方針である。


入店時にも入口に写真を断っている旨が書かれていたが、
カウンターテーブルの上にも
NO PHOTO
とあった。
薄暗い店内でフラッシュをたく客も多いのであろう。
吾輩もカメラにおさめることは断念した。


吾輩の後に席に着いた右隣の女性は、
名物のシフォンケーキの在庫を尋ねていた。
開店してからまだ1時間しか経っていないにも関わらず、
もう品切れのケーキがあるのだろうか。
いずれにせよ、
(ケーキの在庫は要確認ってことやな‥!メモメモ‥!)
彼女の目の前に置かれたシフォンケーキは、
想像以上に立派であった。
次回来店の際は
(絶対に頼もう‥!じゅるり!)


スマトラマンデリンとかいうコーヒーは後味がさっぱりしていて吾輩好みであった。
とはいえ、
冒頭でも話したように、
おそらく何を注文しても
(おいしいコーヒーの味がする)
と、感じただろう。


シン・セギョンさんは通訳のかたやお仲間とここを訪れていたであろうから、

次回は吾輩も夫を連れて、
彼女らが着席したであろう、
テーブル席を目指そうと思う。


そして次回はきっと、
(もう少しビビらずに利用できるであろう!)
そう、期待している。

 

 


※次回は6/13に上げます