前回、
プロローグという体で、
長い長い言い訳を、
飽きることなく話していた。
今日はさすがに本題に入る。
今回の帰省土産には、
京都の阿闍梨餅を手配することにした訳だが、
その理由はただ一つ‥
"吾輩の好物だから"。
自分的全国土産物ランキングの上位にはいつも決まって、
宮城の萩の月や函館のチーズオムレットなどに加え、
京都の阿闍梨餅が入る。
賞味期限が三日間という、
なかなか土産物には適さないお菓子ではあるが、
これから90近くの祖父母を京都に連れて行くなどは、
非現実的であるため、
阿闍梨餅を知らないであろう祖父母の元に、
阿闍梨餅の方から来てもらうことにした。
さっそく阿闍梨餅のホームページを検索し、
配送方法を調べてみる。
(む‥?フリーダイヤル??)
老舗中の老舗はやはり大胆である。
このご時世でもインターネットでの販売はなく、
地方発送の手配は本店の電話受付のみ。
おそるおそるフリーダイヤルにかけてみたところ、
窓口はここのみなのか、
なかなかにつながらない。
何度かかけ直した末にようやくつながり、
電話口からは丁寧な京都弁が聞こえてきた。
阿闍梨餅の注文個数や、
希望の配送日、
時間の指定などをきかれた後、
配送先となる実家の住所および受取人の名前、
後日、請求書が送られてくる関係で、
注文者である私の住所や名前を聞かれ、
それら全てに口頭で答えていく。
音で伝えている以上、
やはり高い確率で取り違えるように思う。
案の定、
請求書内にあった自宅マンション名の
"グローリア"
が
"グロリア"
になっていた。
そこはさすがに間違わないほうが難しいだろう。
しかしそれ以外は全て正しい日付、住所、名前などで届けられていた。
そしてこの話を書こうと思った最重要点というのが、
この電話口での対応であった。
京都本店の満月さんの電話受付のかたは、
大変丁寧で大変素晴らしい対応をしてくださったのだ。
電話の場合、
上手く伝わらないことが多く、
じれったさを感じないではいられない。
"そ"という音も
「さしすせその"そ"です」
と伝えなければならず、
なんだかやっぱりもどかしい‥
(滑舌が悪くすまんのぅ‥)
と、申し訳なさのようなものも感じてはいたが、
電話先のかたの声色が明るく穏やかであったため、
安心して注文することができた。
時々、スーパーで
"生産者のわかる野菜"
いうものが売っているが、
ネットで買い物をする時代になった今だからこそ、
相手の情報が重要視され、
それによって得られる安心と信頼は、
なかなかに代わりのきかないもののように感じた。
阿闍梨餅の場合もそうだ。
丁寧に対応してもらえたことが、
安心と信頼につながり、
今後も贔屓にしたいという新たなものを生んだ。
吾輩も屁理屈をこねながら、
清々しいものとの出会いに感謝して、
丁寧に生きてみたいと思った。
屁というガスは抜くに越したことはない。
※次回は10/4にあげます