日々のこと

昭和61年生まれの既婚子なしの女が、思ったことをだらだらと話すブログです。

【なかじま】@渋谷

どことは言いませんが、
先日とあるチェーン店で酢豚定食を食べました。


ここ一ヶ月ほど、
酢豚が食べたくて食べたくて、
(てぇぇぇい!酢豚を出せぇぇぇい!!!)
と、“水曜どうでしょう”の大泉さんのように荒ぶっていたわたくし。
一度、スーパーの酢豚弁当を買って食べたものの‥
(なんか違うんだよなぁ‥黒酢じゃなくていいし、へんに“ヘルシー志向”かもし出さなくていいんだわ。)
と、毎度のごとく、文句。(苦笑)


そもそも酢豚とは、
脂身ぶりぶりの豚バラ肉と野菜を揚げるかのように炒め、
更に甘酸っぱい餡でからめるという、
カロリーオーバーまっしぐらの料理。
油を使った茶色い料理で、
美味しくないものなんてあります‥?
はなから健康とか無視しとるんです。
脳と舌さえ満足すりゃいいんですわ。


で。
とあるチェーン店の酢豚ですよ。


「オマタセシマシター、酢豚デス!」


(コレよー、コレ!このテカテカの酢豚様よぉぉぉー!!!)
パプリカ、たまねぎ、にんじんにまぎれる、
茶色い肉の
(KA・TA・MA・RI!!!!!)
完全にテンションふりきりモードで、
(いただきマンモス!)
まさかののりピー語にてファイッッ!(※ボクシングの審判みたいに読むと◎)

 


ガブガブ‥

 


(‥‥‥‥ぅん?)

 


むしゃむしゃ‥

 


(‥‥‥‥ぅっ、ぅん。ぅぅうん??)

 


ガシガシ‥

 


(ぬゎんじゃー、この鶏のような肉はーっ!?豚かーっ!?豚なのかーっ!?!?ほんとぉーに、豚なのかーっっ!?)

 


なんとも淡白な豚肉でして‥
これほどまでにサッパリとした豚の部位ってあったんですね。
そう、まるで鶏の胸肉のような豚肉。
もちろんメニューには酢“豚”と書かれていて、
私は心の中で、
(バナメイ‥バナメイ‥‥バナメイ‥‥‥)
と唱え続けました。
さすがに大手チェーン店ですもの、
(バナメイエビなはずナイか!)
だから“豚”だってば。

 


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そんなこんなで、
私の酢豚熱は満たされるどころか、
火を吹いて燃えたぎるまでとなり、
キンキンに冷えたキリン一番搾りでも、
風呂上がりに飲む麦茶でも、
ノンファットミルク、オールミルク、シロップ少なめのほうじ茶ティーラテですらも‥
消火することができなくなったのです。


(ぬはー!腹へったー!酢豚ーっ、酢豚ーっっ!)


酢豚があるかはわかりませんが、
前々から気になっていた定食屋さんがあったので、
今宵はそちらにお邪魔するつもりで渋谷駅に降り立ちました。


(酢豚がなければ回鍋肉を食べればいいじゃない!回鍋肉がなければ青椒肉絲を食べればいいじゃない!)
空腹時ってなんでこうも中華を欲するんですかねぇ‥


南口の歩道橋を恵比寿方面の道で降りると、
ありました、
麺飯食堂【なかじま】。
(よっしゃー、空いてるー!)


前に通った時は人でパンパンだったのです。
外から中が見えるようなつくりになっていて、
(わぁー、人気なのねー‥)
と思った記憶があります。


今日はわりと空いていたので、
すんなり入ることができました。

 


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「いらっしゃいませー‥!」


入ってすぐの所に券売機があったので、
そこで食べたいものを選ぶことにしました。
券売機の周りには写真つきのメニューがあり、
(麺もいいけどなぁ‥飯も捨てがたいのぉ!)
と写真と己の欲望を照らし合わせ、
吟味に吟味をかさねました。


すると。


(きたーーーっ!!酢豚みーっけ!)


まさかの酢豚様のお写真。
ほとんどのメニューがセット売りされているにもかかわらず、
酢豚様にかぎっては“単品”と書かれてあります。
(ここでも格の違いが浮きぼりに‥ぬはっ♡)
単にそこまでの人気がないというだけかもしれません。


写真を見つけたことで私の心は
(酢豚様‥!待っていておくんなまし!!!)
と酢豚街道まっしぐら。
無数にならんだ券売機のボタンから、
“単品 酢豚”をさがします。
(どこじゃぁ〜どこじゃぁ〜‥酢豚さまぁーーー!)


しかし。


左上段から順にボタンを追うも、
(酢豚様が見当たらん‥(泣))
雲隠れなさった様子で、
いくら見返しても
(ない‥ない‥やはりない‥これいかに〜!!!(号泣))


すると。


「なにかお探しですか?」


まさかの大天使(※店員)降臨!


「この“単品 酢豚”(※例の写真を指差しながら)を探しているのですが‥」


「単品の“酢豚”ですね。こちらは“スタミナ焼肉飯”と同じお値段になりますので‥」


(えっ‥そーゆーカラクリ?)


こともあろうか“単品 酢豚”のボタンはないとのこと。
私は言われたとおりに“スタミナ焼肉飯”のボタンを押し、
“スタミナ焼肉飯”と書かれてはいるが、
実は“単品 酢豚”の食券を買いました。
“酢豚”を食べる方々は要注意です。


“スタミナ焼肉飯”と書かれた“酢豚”の食券と“小ライス”の食券を買い終えた私は、
カウンター席に座り、
例の大天使‥いいえ、店員さんに食券を回収してもらいました。
(もはやあちきはハメられたのだから、こやつはユダであるぞ‥!)
“一生懸命探した結果、初めからありませんでした”
なんてことは多々あります。
大人なんだからそーゆーことにはカリカリせずに生きていきたいものです。


カウンター席は目の前がオープンキッチンになっているので、
作る過程が丸見えになります。
それでも
(やっぱり気まずいわよねー‥)
と思ってしまい、私はスマホをいじることにしました。


やはり“おひとりさまサラリーマンの駆け込み寺”なのか、
人がひっきりなしに入ってきます。
店員さんのオーダーを通す声を聞くところでは、
担々麺が圧倒的に多かったです。

 


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「おまたせしました、酢豚の単品と小ライスです‥!(コトンッ!)」

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(ぎゃぁぁぁぁぁ、酢豚様ぁぁぁぁぁ!)


約一カ月の謹慎期間を経て(※別に謹慎してない)ようやくの対面。
定食屋にしては珍しい、
スクエアのお皿で出てきました。
(酢豚様‥なんとも上品な風貌で‥‥‥)


(まっ、まずはスープを一口‥)
コショウのきいた王道中華スープ。
濃すぎず薄すぎずのちょうどいい味です。
そして、わたくし。
この申し訳程度のワカメが大好きなんです。
なんか
(君がいないとこのスープは成り立たないんだよ‥!君、今日もありがとう!!!)
と、言いたくなるんですねぇ〜‥
ま。
君であるワカメは“そんなこと知ったこっちゃない”って感じなんだろうけど。


(ささっ、スープにかまけてないで‥メイン、いっちゃいましょうか!)


餡にからまる赤パプリカ。
丁寧に薄切りされた長ねぎ。
美しさを残してゆでられたチンゲンサイ


(ぬぁ‥?こやつは何ぞ?)


そう、ずっと気になっていた、写真中央の“こやつ”。
半月型で薄いころもをまとった“こやつ”です。
お箸でつまんでジッと見てみたところ、
(たぶん、芋!)
ガブリとやってやりました。


ネバっとした口当たりにサクサクの食感。
なんと素揚げされた長いもでした。
しかもこれがうまいのなんの!
“酢豚に長いも!?”と思うかもしれませんが、ここは日本。
日本流酢豚ってことで、これはこれで
(アッパレ!)
もはやこの酢豚は長いもによって完成されたと言ってもいいくらいです。


というのも。
肝心要の豚バラお肉ちゃんですわよ。


この豚バラ肉が角煮のような“プルプルとろりんお肉ちゃん”で、
(くぁーっ!めっちゃジューシー!)
味付けは控え目な甘辛とでも言いますか、
お酒のあてにも良さそうなしょっぱさがあります。
あっさりとした野菜たちに合うことはもちろん、
(白米が進むーーー!誰か止めてー!!!)
もちろん、止められる前に小ライスがなくなるという結末をむかえましたがね、
私がずっと求めていた
『脂身ぶりぶりの豚バラ肉と野菜を揚げるかのように炒め、更に甘酸っぱい餡でからめた、カロリーオーバーまっしぐら』
の、あの“酢豚”そのものでした。
(これよー、これ!これが私が求めていた“酢豚”なのよー!)


理想と現実が合致しないことが当たり前かのように生きていますが、
時たま起こる奇跡が、
また人に夢をみさせるのだなぁと思いました。
理想は‥
たくさんもっていた方がいいかもしれませんね。
小さな理想をたくさんもっていると、
奇跡によって叶えられる確率が上がりますから‥

 


脳が満足すると、
“カロリーオーバーまっしぐら”
の罪悪感が次第に濃くなってゆき、
我に返った私は、
やはり豚バラ肉の一切れを残し、
店を後にしました。


なんの意味があるのかはわかりませんが、
これが32歳の精一杯の抵抗なんでしょう。


やむなし人生に幸あれ。


今宵の渋谷にも感謝!