日々のこと

昭和61年生まれの既婚子なしの女が、思ったことをだらだらと話すブログです。

【穀雨】@渋谷

“十勝あんこ”と書かれた今川焼の店に並ぶ、スケーター系男子。


イヤホンをつけて立ち食い寿司を喰らう、イマドキOL。


漬物をつまむ外国人に、豆のサラダをかっこむ中年サラリーマン。


いわゆる、“ギャップ萌え”。
(にょほー!カッコえー!)
今日も渋谷には“ときめき”と“刺激”、
そして少しの“切なさ”が漂います。


なにげない所作、
嗜好なんかをかいま見ると、
たちまち心の中に、
あたたかいものが流れこんでくるのは、
なぜなんでしょう‥
(ほわりん♪)
こうして私はいつものように、
心の中で
『いいね!』
ボタンを連打し、
(心の中なら何回押してもいいのじゃー!!!)
と、発狂するのです。


というのも。
あつすぎて。
飯を食う前に駅直結の東急の食品フロアで涼んでいたわたくしめ。
涼みながら無料の群像劇を楽しんでいたという訳なのです。


(あーあ、ここからまた歩くんだもんなー‥)
そう。
渋谷にきたのは飯のため。
私は早く飯を食わなくてはならんのです。


しかし、外の35度とかいう恐ろしい気温を思うと、


(出たくねーなー)


(“飛んで火に入るなんちゃら”じゃーん?)


(あー、「あちぃ」って何回言うんだろー)


(ショーケース内のジェラートになりたひ。)


(ぬぁー、考えても考えても店にゃぁ辿りつかんし、腹は減るし!‥るし!!!)


と、湯水のように文句がわきでてきます。
その文句が熱されたアスファルトの上にポタリとしたたり落ちた瞬間、
「じゅぅぅぅぅぅ」
というもの凄い音をたてたもんだから私は、
(うぎょぇーーーーー!!!!!)
と飛び跳ね、
ようやく35度の気温に白旗をあげることにしました。


(私の前世は、光の届かない場所に生息する生き物だったんだ‥そうだ、きっとそうだ!)
私の10代から変わっていないことといえば、
根拠のない思い込みくらいなもんです。

 


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渋谷駅から北西に歩き、
セルリアンタワー東急ホテルを過ぎたあたりで左折します。
そしてさらに、
(えっ!?この道!?)
と思う小道を進むと、
(えっ!?この店!?)
と思うお店があります。
まさしくそこが【穀雨(こくう)】。
今宵はちょっと久しぶりのラーメンです。
東北人はやっぱりラーメンに目がないようです。
(暑くてもスープは飲みたくなるのじゃぁ〜!)


一見、バーと見間違えるくらい閉鎖的な外観。
外からは全く中が見えず、正直‥
(ううっ‥は、はいりにくい!)
加えて、店内に“やから”が居るのか、
大きな話し声が外にまで漏れていました。
(いや、そこんとこ勇気っしょ!気合いっしょ!)
と思い、
(たのもーっ!!!!!)
と心で唱え、ドアノブを引きました。


入るとカウンター席のみの細長い店内。
入りにくい外観とは別に、
さっぱりとした内装です。
入口左手に券売機があり、
ボタンに書かれたメニューを目で追います。
(ラーメンかワンタンメン‥醤油か塩、かぁ‥悩ましいのぉ‥)
無類のワンタンメン好きの私。
ここはワンタンメンをチョイス‥
(したいところなんだけどなぁーっ‥!)
下調べをしていたので、ここが“中華そば”のお店であることは承知。
“餅は餅屋”が信条の私は、
(てぇぇい!王道、中華そばぁぁぁ!)
“ピッ!”
と、醤油ラーメンのボタンを押しました。


奥様と思しきお店のかたに、
「お好きな席へどうぞー‥」
と言われ、
9席のカウンター席の一番はじに着席しました。
店内にはラーメン屋らしからぬ、
(こーゆーの、グランジロックとかオルタナティブロックって言うんだっけ‥?)
厳密な分類こそわかりませんが、
下北沢とか高円寺に住んでいる人たちが好きそうな曲が流れています。
(店主の趣味なんじゃろか‥)
カウンターで勤しむ店主はというと、
(かなり寡黙な人そう‥)
これもまた、“ギャップ萌え”というやつなのかもしれません。


ひとつ席を空けた隣に、
例の“やから”と見受けられる2人のあんちゃん達が座っていました。
(この人達か‥外にまでもれていた声の主は‥‥‥)
ちゃんとチャラくて、
茶髪にTシャツ、ハーフパンツといういでたち。
(財布はダミエって感じよねー‥)
32歳の私よりもうんと若くって、
友達以上恋人未満の彼女の話やら仕事の話やらをしていました。
片方のあんちゃんは西の人らしく、
用事があって東京に来ているとのこと。
それで例の彼女のところに泊めてもらっているんだとかなんとか。
(なるほどね〜‥ま、頼れる人にゃぁ頼らんと。若いのに生きる術を身につけていて偉いのぉ‥)
渋谷の若人はいろんなことを駆使し、酷使しているようにも思えます。
良い意味で
“生き急いでいる”
のではないでしょうか。
もちろん。
良い意味で、ね。

 


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「お待たせしました、ラーメンです‥(コトンッ‥)」

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(わっほーい、細麺、バンザーイ!)
透きとおったスープに浮かぶネギ。
脂身の少ないチャーシュー。
穂先と思しき細メンマ。
(たぁー、中華そば好きのソウルがうずくぜぇー!!!)


まずはネギをすくうようにしてスープをごくり。
(あぁ、永遠に飲める‥!)
魚介系の澄んだスープはあっさりしていて、
塩分も控えめです。
細い麺にもきちんとからんで、
(ぬぁ〜繊細な旨味じゃぁ〜♪)
チャーシューは甘く煮付けられているので、
箸休めにもなります。
シンプルだからこそ誤魔化しのきかない、
中華そばの骨頂とも言える逸品でした。
スープを飲み干したのは言うまでもありません。

 


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私が入ってから1人、また2人とお客さんが増え、
たった9席しかない席はあっという間に満席になりました。
1組のカップルが立って待っていたところ、
先程までだらだらと話をしていた例のあんちゃんの1人が、
「待ってる人いっから、俺、先に出てるわ!」
と言い、
さっさと食べ終え、
お会計を済ませました。


(出た!ギャップ萌え!!!)


気を遣えること。
親切であること。
人として、
大事なことですね。