日々のこと

昭和61年生まれの既婚子なしの女が、思ったことをだらだらと話すブログです。

【永坂更科】@渋谷

前の日の夜に池袋の【銀だこ】で、“食べ放題飲み放題¥2160”たるものに挑戦しましたが、
翌朝にはレタスとチーズのサンドイッチを、
(むつむつ‥)
昼にはコンビニで買ったからあげとヨーグルトを、
(むつむつむつむつ‥)
当然、
(あー‥夜はさすがに汁物くいてぇなぁー‥‥‥)
と、思う32歳‥
“食い意地だけは立派なババア”
に成り上がっております。


運動も勉強も。
ましてや恋すらしていないのに。
(なぜにこうも‥‥‥)
腹だけがすくのだろう。


その答えを10代の内に見つけられていたら、
今宵、
この飯には、
(出会えてなかったんだなーっ‥)
と考えながら、
最後の一滴を飲み干した訳です。


こんにちも、
のらりくらりとやってきましたここ渋谷で、
寂しさではなく、
ただ空腹を埋めるために、
のれんをくぐります。


梅雨があけたとて。
東京は蒸し器の中のような暑さ。
この頃はよく。
10代の頃につるんでいた友達のことを思い出します。
彼女はしきりに
「チーズ蒸しパンになりたい」
と言い、
私は彼女を本物のパンクだと思っていました。
この湿度と気温の中で息をしていると、
やはりチーズ蒸しパンの気持ちになるのです。

 


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以前にもお伝えしたとおり、
世間一般の女性が持っている【soup stock】という選択肢を持っていないわたくしめ。
無論、
渋谷の【soup stock】がどこにあるのかもわかりません。
(汁物‥汁物‥‥‥soup stockしか思いつかんが‥それがダメとなると‥麺類になるかなぁー‥‥‥)
と、思考をめぐらせていたのですが、
(でもなぁ、最近、カレー食べてないのなぁ!)
やはり日本人のウルトラソウルなのでしょうか、
ラーメンとカレーは定期的に食べたくなります。
(うーん‥ウルトラ、カレー、食べたし。)


銀座線の改札を通りながらそんなことを考えていると、
東急百貨店のエレベーター横にあった、
レストランフロアの紹介が目にとまりました。
(寿司、鰻、四川料理‥むー、どれかはヒットしそう‥)
ここは駅直結の東急東横店。
(そういえば‥)
渋谷にはもう一つ東急があって、
実はそこが本店なんだとか。
駅からも多少歩くことになる東急本店は、
意外と穴場スポットだったりします。
7階にはジュンク堂もあり、
私のような筋金入りのジュンク堂信者にとっては嬉しい建物。
あそこで面白い本に出会わない時は、
(まず、ない!)
と断言できます。


スクランブル交差点をわたり、
フルーツパーラーだの、
マツキヨだの、
サーティワンだの、
メガドンキだの、
H&Mだのを通り過ぎると、
(あった、あった、東急本店!)
早速、中に入ると、思った通りの人の入り具合。
新宿の高島屋のエレベーターはボタンを押してから4、5分は待つのに、
渋谷の東急はわずか数秒で扉が開きました。


エレベーターに乗って、
8階のレストランフロアを目指します。
「チン!」とベルが鳴り降りると、
なんだか従業員用の出入口のような殺風景な通路に出ました。


メインフロアに出て界隈を一周‥
やたらと広いのに加え、
そこらじゅうに広がる 
(昭和臭!いや、バブル臭!!!)
床の柄といい、
壁紙といい、
お店の前に用意された待機用の椅子のデザインでさえも、
一昔前のもの。
(まるでウチの地元の百貨店のようだ‥)
閑散としたフロアには各レストランの呼び込み(?)案内(?)のウェイターさんがいて、
客足が伸び悩んでいることが伺えます。
(ううっ‥切ない!)


とすれば、
世の中でも一番自由に金を使える層である
“30代独身女性”
を代表して、
(あちきが“カモちゃん”になってあげようぞ!)
と、息巻いたものの、
“お手軽フレンチコース”や“飲茶セット”といった量のあるものに挑める胃の状態ではない。
また、ひとりで寿司屋や天ぷら屋ののれんをくぐれるほどの度胸は
(まだない‥(涙))


グズグズとフロアをいったりきたりしていると、
(むぅ‥‥‥?)
【永坂更科(ながさかさらしな)】という蕎麦屋さんの店の前のショーケースに目を奪われました。
“天ぷらとせいろ蕎麦のセット”や“鴨南蛮”といった定番商品の見本品の中に
(たはーっ、これだぁーっ、カレー蕎麦!!!)
LOVEずっきゅん、
Yesふぉーりんらぶ、
空前絶後のぉー‥は違うか、失礼。
まぁ、一目惚れなんぞたやすいことを知ったこの時、この瞬間でございました。


まさか、
“ウルトラカレーソウル”を満たせるとは思っておらず、
先ほどの発狂テンションをたなびかせ、
意気揚々と入店。


「いらっしゃいませー、お好きな席へどうぞー‥」
思いのほか広く、
どこに座ろうかと迷ったあげく4人がけテーブルに着席しました。
先客はおじさん2人組だけ。
まぁ、夕飯にしては早過ぎる時間帯だった為、こんなものかと思いました。


いちおうメニューを開き、
他のものも見てみましたが、
(やっぱカレー蕎麦だなー‥)
ナンバーワン、
オンリーワン、
世界に一つだけの‥
(カレー蕎麦!)


「すみません、カレー蕎麦一つ!」

 


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「お待たせしました、カレー蕎麦です。お熱いのでお気をつけてお召しあがりください。」

 

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(ひゃ〜グッドスメル〜〜〜!)
ダシの香りとスパイスの香り‥
たまりません。
髪の毛をしばり、
紙エプロンをし、
ネギを入れ、
(いざゆかん!)


グラグラに煮立たった汁が熱いのなんの。
ふーふー冷ましながら挑みます。
バラ肉と玉ねぎがたっぷり。
汁はとろみが強いタイプ。
無類のあんかけ好きの私にとっちゃぁ、
(好都合!モーマンタイ!)


蕎麦は切れやすく、短い麺だったので、
カレーが飛び散りにくく、
なんとも計算しつくされたカレー蕎麦です。


汁に絡みつく麺。
大きめに切られた具材。
この適度な空腹感をゆっくりと満たしてくれたカレー蕎麦に、
(盛大な拍手を‥!)
と、私の心の中はたいへんに盛り上がりをみせていました。


カレー蕎麦や焼きそばパンを食べていると、
つくづく日本人で良かったなぁと思います。

 


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食べ終えた後は、
やっぱりジュンク堂に寄ります。


いつものように本を物色していたところ、
“もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら”
というちょっと前に流行った本が面陳されていました。


プロローグをざっくりと読みあげたところ期待以上に面白く、
私は夏目漱石のファンなので彼の部分だけを読むつもりでページをパラパラ‥


漱石先生は
“焼きそば”

“焼蕎麦”
と書かれていて、
蕎麦といえば緑か灰のような色を思い浮かべるものですが、
(焼いた蕎麦なのだから焼蕎麦で相違ない‥)
と、私も漱石先生の真似事をしてみたり。


まぁ、漱石先生ではなく、
この本の作者が似せて書いたんですけどね。


なんとも蕎麦三昧な1日となりました。